冷酷御曹司の激情が溢れ、愛の証を宿す~エリート旦那様との甘くとろける政略結婚~

 充さんの長くてしなやかな指が私のガウンタイプのパジャマに手を掛けて、腰紐をしゅるしゅると解いていく。

 レース素材の下着から自分の胸の谷間が見えた瞬間、羞恥心から頬に熱が集まるのを感じた私はとっさに顔を背けてしまった。

 今夜の下着は姉からプレゼントされた新品で、淡いピンク色の可愛らしいデザインのもの。色白の私にはこれが似合うからと姉が自信たっぷりに渡してきたので、さっそく今夜身に着けてみた。

 充さんに見られること前提の下着なのだが、いざ彼の目に触れるとなるとやはり恥ずかしい。

「ウエディングドレスのときにも思ったが、きみは気痩せをするタイプだな」

 上からぽつりと落ちてきた声に視線を戻すと、充さんが私の胸をじっと見つめている。その表情にいやらしさは一切感じられず、普段通りのクールさだ。見られているというよりも観察されていると表現したほうが正しいかもしれない。

 けれど、そんなにマジマジと見られるのは恥ずかしい。腰紐を解かれたことで、はだけてしまったパジャマに手を掛けた私は慌てて前を隠した。

「私、男の人とこういうことをするのが初めてなので、その……」
「恥ずかしい?」
「もちろんそれもありますけど、それよりもこわいというか……」
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