能ある彼女は敏腕社長に捕獲される
無能秘書、敏腕社長に振り回される
広過ぎるだろ、おい…。

少なく見ても8帖ほどはあるんじゃないかと言う部屋を見回しながら、私は心の中で呟いた。

備えつけのクローゼットやベッドがあるだけじゃなく、洗面所もトイレもバスルームも独立しているうえに高級感があった。

「ーーここはホテルなのか…?」

違うと言うことはわかっているけれど、そう呟かずにいられなかった。

足元に視線を向けると、毛並みがよさそうなフカフカとしたじゅうたんがあった。

「一体、何センチぐらいあるんだよ…」

壁にある大きな液晶テレビに私はツッコミを入れた。

革張りの大きなソファーにガラステーブルのセットは、さすが金持ちだと嫌味を言いたくなった。

と言うか、
「何でこうなったんだよ…」

私はここまでに至った経緯を振り返った。
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