ダブルブルー
「蒼ちゃん、蒼ちゃん。はい、リピートアフターミー?『青さん』」


そんなおどけた声すら、柔らかい。


「はい。もう一回。リピートアフターミー?『青さん』」


自分の耳に手のひらを当てて、私に問う久保田さんに。


「…あ、あお、さん」


「はい。よくできました」


ぱちぱちと拍手を送ってくれたあとに、頭を撫でてくれることも忘れない、完璧さ。


ほら、一回呼んでみたら何ともないでしょ?


そんでもってほら、距離も縮まった。


ね?嬉しいねぇ。


朗らかに笑う横顔は、尊い。



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