ダブルブルー
満員電車を降りて、ホームの隅に移動してひと息つく。



目を閉じて深呼吸をしたら、まわりの喧騒が戻ってくる。


少し立ちくらみがしているから貧血、かもしれない。


なんとか、しゃがみこまずにすんでいるのは、耳元から全身に流れてゆく、愛おしいひとの甘い声のおかげ。


いま、何をしてるかな?


ライン、してみる?


いや、いっそのこと、お揃いの名前を呼んでくれる声が聞きたい。







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