ダブルブルー
改札を抜けて、見慣れた駅前通りに降り立つための階段を、下る。



浮き足立つような気持ちは、耳元を通って身体中を巡る甘い声のせい。



『明日は?何か予定ある?明日こそは、会えたらいいな』


そろそろもう、蒼ちゃんに飢えて死にそう。


案外本気に聞こえるその声に、愛おしさは限界まで募る。


それを、ぐっとこらえる。


きっと困らせてしまうだけだから。


会いたい気持ちは、人一倍。で、も。




「…ええーっ?前に会ったの3日前ですよ?」



私のつたない脳は、そんなコトバを選んでしまう。



ほんとうは、誰より会いたい、のに。


もうそれ、は。


毎分。


毎秒。


随時。


常、に。

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