ダブルブルー
帰りの車の中でも、相変わらずの久保田さんのおしゃべり。


久保田さんのおしゃべりを聞いていたいときにすは、聞かせてくれて、逆に私が少し話したいなぁ。思ったときには、スマートに私の話を聞き出してくれる。


それは、久保田さんが今まで演じてきたどの役とも違う気がして。


今、私の前で晒してくれているのが、テレビやスクリーンのなかの俳優ではない、『久保田 青』というひとなのだと気がついた。


こんなに無防備に自分を誰かに晒せるなんて。


見栄や建前に振り回されて、回りに流されていただけの私とは、大違いで。


こんなひとになりたいと、切に思う。


そんな風に願っている間にも、車窓の向こうには住み慣れた街の景色が流れ初めて、もうすぐこの時間も終わってしまうことを告げていて、ふいに切なさが込み上げた。




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