ダブルブルー
「蒼ちゃんにさ、渡したいものがあるんだよね」


言いながら、後部座席に体を捻った久保田さん。


思いのほか、急に近くなった距離に一気に体温が上がる。


「はい」


微笑みながら久保田さんが差し出してくれたのは、オレンジや赤やピンクのお花がぎゅっと詰まっている、片手で持てるサイズのブーケで。


「誕生日、おめでとう」


そんな風に動く、くちびるをびっくりしながら見つめた。


…誕生日…?


今日の日付を頭の中に思い浮かべて、愕然とする。



自分でもすっかり忘れていた。



確かに今日は、私の誕生日、だ…









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