傷だらけの黒猫総長


若菜ちゃんが今まさに座っているのは、その黒羽くんの席。




「ふふ、若菜ちゃんはそのまま寝ちゃいそうだね?」


「そのちゃん、“なー”のこと分かってる〜♪ それはもう、スヤスヤぐっすりだよ♪」




休み休み学校に来るだけで、授業は真面目に受けている黒羽くんと比べると、若菜ちゃんは不良らしい不良という感じがする。

フリーダムなところも含めて、わたしは若菜ちゃんが好きだけど。




「あー、ぐっすりと言えば、コウがそろそろ起きる頃かな〜?」


「黒羽くん? 昨日は夜更かししたの?」


「うん、久しぶりにブンブン賑やかな夜だったんだ〜♪ 一応学校には来てるから、そのちゃんが迎えに行ってあげて?」




ニコッと笑って、可愛らしく小首を傾げた若菜ちゃんの言葉に、目を丸くする。

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