課長に恋してます!
 ショックで立ち上がれなかった。
 課長にこんなに強く拒絶されたのは初めてだった。

 もう立ち上がる気力もなくて、床に手をついて泣いた。
 
 諦めよう。

 そう思って会いに来たんだ。
 もう諦めよう。
 これで良かったんだ。ハッキリ言ってもらえて良かったんだ。

 いろんな人が急ぎ足ですぐ横を通り過ぎるけど、人目も憚らず、泣きじゃくった。
 泣いて、泣いて、喉と鼻の奥が痛くなった。
 きっと明日は瞼が腫れて、酷い顔だ。
 自業自得かな。

「……一瀬君」

 すぐ近くで声がした。
 空耳だと思った。

「一瀬君」

 もう一度呼ばれて、顔を上げると歪んだ視界に課長がいた。
 課長は膝をつくと優しく笑って涙を拭いてくれた。

「僕の負けだ。泣かせてごめん」

 いきなり課長に抱きしめられた。
 何が起きたのかわからなかった。
 ただ、課長の腕の中はあったかくて、日向の匂いがした。
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