課長に恋してます!
 課長の目を真っすぐに見て、今の想いをぶつけた。

「課長の言うように、親に心配をかけるかもしれませんが、自分の気持ちに嘘はつけません。有利な相手とか、そういうのじゃなくて、本当に好きな人と一緒にいたいんです。課長に出会って、本当に好きな人と、そうじゃない人の差がよくわかったんです。課長は特別なんです。一緒にいるだけで私、幸せなんです」

 涙が混じって声が震えた。
 わかってもらいたい。どうしても課長が好きなんだって気持ちを。

「一瀬君はいつも真っすぐだね。僕はあれこれ悩み過ぎなのかもしれない。昔は自分の気持ちに正直に生きられたけど、いつの間にか逃げ道を作るような生き方をするようになってたよ。そういう所に年の差を感じるんだよ」

 課長は悲しそうに笑った。

「一瀬君を見てると、堪らなくなる時がある。かつて自分が持っていた真っすぐな気持ちを思い出すんだ。そして若くない事に悲しくなる」

「私は今の年齢の課長が好きです。課長は逃げ道を作るような生き方だって言ったけど、課長は優しい人です。私に冷たくあたったのだって、私の為を思ってくれたんでしょ?私が課長を諦められるように。その方が課長は私が幸せになれるって思ったんでしょ?」

「一瀬君には敵わないな」

 課長が微笑んだ。

「一瀬君が好きだから怖いんだよ。ちゃんと幸せにでるきか若い頃のような自信がないんだ」
 
 好きだって初めて言ってもらえた。
 目がうるうるする。嬉しさで胸が熱くなる。

「私、幸せです。課長がいてくれるだけで幸せなんです。他には何も望みません」

「やっぱり敵わないな」

 視線が合うと、課長は穏やかな笑みを浮かべた。

「好きになってくれてありがとう」

 課長に抱き寄せられた。
 日向の匂いに包まれた。
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