課長に恋してます!
「帰る」
間宮はまだ来てないが、課長との事をこれ以上聞くのが辛かった。
「もう帰るの?」
一瀬がびっくりしたように言った。
残念そうな顔をされて、帰りたくなくなる。
「幸せな奴の話なんて聞いてらんないんだよ。第一、俺は失恋したんだぞ」
「……ごめん。石上全然平気そうだったから」
「平気なふりしてるんだよ。好きな女の前で強がるだろ、普通」
一瀬が困ったような顔をした。
その顔に弱かった。
「半分冗談だから、その、一瀬が上手く行って良かったよ」
「ありがとう」
「まあ、風当たりは強いが、頑張れ」
「石上、いや、石上さん、香港では本当にありがとうございました」
改まった様子で言われ戸惑う。
「丁寧過ぎて気持ち悪い」
「精一杯の感謝の気持ちを表現してるの。いろいろ無理言っちゃったから」
「自覚はあったんだな」
「多少は」
一瀬が本当に申し訳なさそうな顔をしたから、可笑しくなる。
「まあ、俺も無理な事言ったしな。賭けに負けたけど」
「あの賭け、本気だったの?」
「教えない。じゃあ、お疲れ」
カウンター席を離れて一瀬に背を向けて歩いた。
出入口まで行くと、店に入って来た間宮と会った。
「あれ、石上主任、もう帰るんですか?」
「俺なんかいない方がいいだろ。間宮の好きな恋バナ、今夜は聞きたい放題だぞ」
「じゃあ、一瀬先輩、上手く行ったんですか?」
間宮が目を輝かせる。
「結果は本人に聞け」
「石上主任、大丈夫ですか?」
間宮が心配そうな顔をした。
「泣くなら胸かしましょうか?」
「バカ、それは男のセリフだ」
間宮が笑った。
その笑顔に少しだけ気持ちが楽になった。
「じゃあな。明日は遅刻するなよ」
「はい。石上主任お疲れ様です」
店を出た。
スモッグで覆われた夜空を見上げながら、一瀬を思った。
がんばれよ。
カッコつけ過ぎだな。俺。
間宮はまだ来てないが、課長との事をこれ以上聞くのが辛かった。
「もう帰るの?」
一瀬がびっくりしたように言った。
残念そうな顔をされて、帰りたくなくなる。
「幸せな奴の話なんて聞いてらんないんだよ。第一、俺は失恋したんだぞ」
「……ごめん。石上全然平気そうだったから」
「平気なふりしてるんだよ。好きな女の前で強がるだろ、普通」
一瀬が困ったような顔をした。
その顔に弱かった。
「半分冗談だから、その、一瀬が上手く行って良かったよ」
「ありがとう」
「まあ、風当たりは強いが、頑張れ」
「石上、いや、石上さん、香港では本当にありがとうございました」
改まった様子で言われ戸惑う。
「丁寧過ぎて気持ち悪い」
「精一杯の感謝の気持ちを表現してるの。いろいろ無理言っちゃったから」
「自覚はあったんだな」
「多少は」
一瀬が本当に申し訳なさそうな顔をしたから、可笑しくなる。
「まあ、俺も無理な事言ったしな。賭けに負けたけど」
「あの賭け、本気だったの?」
「教えない。じゃあ、お疲れ」
カウンター席を離れて一瀬に背を向けて歩いた。
出入口まで行くと、店に入って来た間宮と会った。
「あれ、石上主任、もう帰るんですか?」
「俺なんかいない方がいいだろ。間宮の好きな恋バナ、今夜は聞きたい放題だぞ」
「じゃあ、一瀬先輩、上手く行ったんですか?」
間宮が目を輝かせる。
「結果は本人に聞け」
「石上主任、大丈夫ですか?」
間宮が心配そうな顔をした。
「泣くなら胸かしましょうか?」
「バカ、それは男のセリフだ」
間宮が笑った。
その笑顔に少しだけ気持ちが楽になった。
「じゃあな。明日は遅刻するなよ」
「はい。石上主任お疲れ様です」
店を出た。
スモッグで覆われた夜空を見上げながら、一瀬を思った。
がんばれよ。
カッコつけ過ぎだな。俺。