秘書の溺愛 〜 俺の全てを賭けてあなたを守ります 〜
ふと目が覚めて時計を見ると、まだ早朝の5時半だった。
横を見ると、桜が穏やかな顔で眠っている。

『直生と一緒なら、よく寝れるのにな・・』

「ほんとに、毎晩よく寝てる」

頬にかかる髪に指を伸ばすと、ふっと目を開けて俺を呼んだ。

「な・・ぉ・・」

「ん? まだ早いよ」

「今日も・・明日も・・これから先も・・・・」

「心配しなくていい。ずっと一緒だ」

「ん・・よかった」

そのまま再び眠りにつき、少し力の抜けた桜の手に自分の指を絡ませる。
持ち上げると、ピンクゴールドのマリッジリングが光っていた。

『カルティエにしようかな・・ピンクゴールドがいいかなって』

この指輪は桜のお気に入りだ。

傷がつくのが嫌だからと洗い物をする度に外すのが心配で、失くすぞ〜と脅すと半泣きになった。

「そんなに傷が気になるなら、アレを真似すればいいんじゃないか?」

たまたま目に入った、テレビの韓流ドラマを指差す。

「あ、ゴム手袋で洗い物・・。確かに・・あれなら洗剤で手荒れもしないよね・・。私、コンビニ行ってくる!」

それ以来、リングを外すことは無くなったはずだ。

よく見ると細かい傷はいくつかあるけれど、それもふたりが重ねる日々を、少しずつ刻んだ証だと思うから。

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