俺様パイロットは揺るがぬ愛で契約妻を甘く捕らえて逃さない
深澄さんは素知らぬ顔でその視線を受け流しつつ、私たちに向けて小声で言った。
「いいもなにも、ひとりで飲もうと思っていたのに強引に彼女たちがついてきただけです。こちらのプライベートを探るような話題ばかりでうんざりしていたので、俺もこっちの席に交ぜていただけませんか?」
彼女たち、なんてもったいないことを。せっかく深澄さんと話ができるなら、私は彼のプライベートなんかじゃなくパイロットの仕事について根掘り葉掘り聞きたい。
「俺は別に構わないが……」
最上さんが、私と石狩さん、信濃さんの顔を順番に見る。
「俺も別にいいですよ」
「僕も異存はありません」
口いっぱいにパスタを頬張って答える石狩さん。その隣で、信濃さんも賛同する。
「じゃあ、私も」
「ありがとうございます。では、彼女たちに説明してきます」
最後に私が返事をすると、深澄さんはくるりと踵を返し、元いたテーブルの方へ戻っていく。その間、私たちは軽くテーブルの上を整理して、私の左隣に深澄さん用のスペースを空けた。
「涼野、もうちょっとこっちに寄れるか?」
「はい」