ひと夏のキセキ

おわり


遥輝と話してから3日が過ぎた。


あれ以来遥輝とは会っていないし、連絡も取っていない。


「遥輝に会いたいな…」


でも、私から“会いたい”なんて言えないよ…。


あんなふうに泣き崩れる遥輝を見てしまったら、ワガママなんて言えない。


でも、会いたいよ…。


遥輝は私に会うのがツラいのかな…。


もどかしい。


上手くいかない。


全部病気のせいだ。


「どうして病気は私を選んだの…」


なんで私だけ普通の人生を奪われなきゃいけないの…?


なんで好きな人と愛しあう事がこんなに苦しいの…?


「もうやだ…」


ベッドの上で膝を抱え、膝の間に顔を埋める。


遥輝の温もりが恋しい。


優しくて、温かくて、心地の良いあの体温が恋しい。


なんでこうなっちゃったかな…。
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