ひと夏のキセキ
お願いだから、引き止めないで。


私の決意を壊さないで…。


「私はもう、遥輝のこと好きじゃない。遥輝の気持ちには応えられない」


「…キモいって思われることを百も承知で言うけど、絢を見てると、俺のことが好きじゃないとは到底思えない」


…やめてよ。


「…変な妄想やめてよ。気持ち悪いよ」


ごめん。


その通りだよ、本当は。


キモくなんてない。


遥輝は本当に私のことをよく見てくれて、よく理解してくれてるんだなって、嬉しいよ。


「…だよな。ごめん」


違う…。


そんな顔しないで…。


もう私のことで傷ついてほしくないのに。


今、また傷つけてしまった。


どうか、私のことは忘れて幸せになってほしい。


神様。


私の身体はどうなってもいい。


だから、遥輝の幸せだけを願わせてください。


「…バイバイ、遥輝」


さようなら。


自分勝手でごめんなさい。


私のことなんか忘れて、幸せになってね。

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