激情を抑えない俺様御曹司に、最愛を注がれ身ごもりました


 翌日。

 オープンすぐの時間、店には潤子伯母さんが訪れていた。


「すみません。ご足労をかけてしまって」

「大丈夫よ! ちょうどこっちの方に用もあったから」

「すみません……」


 自然と何度も謝罪の言葉が出てきてしまう。

 昨日の晩、独り暮らしの部屋に帰ってから潤子伯母さんからメッセージアプリに連絡が入った。

 施術したネイルのストーン部分が一部引っかかりがあるということで、今日は朝一番に修正に来てもらっている。

 こちらのミスだから、もちろん料金は発生しない。

 うちのサロンは、施術一週間以内に万が一ネイルが剥がれたり等の不具合があった場合、補償期間として無償でお直しをさせてもらっている。


「京香がこういう見落としするの、珍しいわね。こういうこと、初めてじゃない」

「すみません」

「いいのよ。相手が私だったから逆に良かったじゃない。そう思いなさい」


 確かに、親戚である潤子伯母さんだったから、というのはある。

 でも、ちゃんと料金をいただいている以上、そんな甘えは許されないと思っている。


「なんか悩みでもあるの?」

< 11 / 235 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop