激情を抑えない俺様御曹司に、最愛を注がれ身ごもりました


「痛いけど、気持ちいい感じです」

「本当に結構凝っているな」

「そうですね……もう、職業病だと思って諦めてます」


 こんな風にしていると、本物の夫婦にでもなったような錯覚に陥る。

 しばらく肩を押し続け、「ありがとうございます」と彼女に言われて手を離した。


「えっと……じゃあ、寝ますか?」


 再びその場に立ち上がった京香は、距離を取るように一歩下がり改まって訊ねてくる。

 そんな姿にまたクスッと笑ってしまったものの、「ああ」と返答してベッドに上がった。

 京香はいつも眠っているベッドの右側に回り、そろりとベッドに上がってくる。

 その姿をじっと見つめていると、頬が紅潮していくのがはっきりとわかった。

 自分にとってなんてことないシチュエーションなのに、彼女のそんな様子を見ていると自然と鼓動が高鳴っていく。

 京香はぎこちない動作でいつもの定位置に横になる。

 俺に背中を向けることもできず、かといって向かい合うこともできないのだろう。

 真っすぐ天井を向いて横になり、目も天井の一点を見つめた。

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