激情を抑えない俺様御曹司に、最愛を注がれ身ごもりました
ここ、か……。
明治通り沿いの新しめな高層ビルの外壁に、香椎綜合法律事務所とサイン看板が見えてくる。
意を決してビルのエントランスを入り、エレベーターホールに向かう。
案内板を見ると、目的の法律事務所は六、七階らしく、受付は六階となっている。
三基あるエレベーターのうちのひとつがすぐに到着し、心の準備がまだ整わないうちに中に乗り込む。
六階を指定したエレベーターはすぐに目的階で扉を開いた。
エレベーターを出ていった先には、ガラス張りの通路が待っていた。
明治通りの桜並木を眼下に、磨かれたガラスに反射して映る自分の姿に目が留まる。
肩下まであるセミロングの髪は、今日も緩く巻いている。
湿気が多いと広がってしまう猫っ毛が長年の悩みだけど、仕事中は邪魔にならないようにまとめているから問題ない。
ガラスに映るふわふわした髪をなんとなく手で押さえて整え、弁護士事務所の窓口を目指す。