激情を抑えない俺様御曹司に、最愛を注がれ身ごもりました


「うわっ……」


 手にしたスマートフォンの画面を見た瞬間、思わず変な声を出していた。

 だってそこには、香椎さんからのメッセージが届いていたから。


「きょんちゃん、大丈夫?」


 私の様子を気にして、スパゲッティを運んでいる菜々恵が声をかけてくる。


「あー、うん。大丈夫。ごめんね、先食べ始めて」


 そう答えながらメッセージを開いた。


【仕事はいつも何時に終わる? 明日か明後日、時間が取れるなら会いたい】


 読み終えた瞬間、不覚にも鼓動が大きく音を立てた。

 最後の〝会いたい〟というフレーズに反応したようだ。

 香椎さんのそんな言葉は、私利私欲のためだと鼓動を高鳴らせてしまった自分に教える。

 代理見合いの席からちょうど一週間。

 連絡先を交換したものの、特になんの連絡もなく、このまま話が流れてくれれば助かると思っていた矢先だった。

 明日、明後日の予約状況を思い出し、その場でメッセージを作っていく。


【明日も明後日も最後の予約のお客様が十八時からなので、遅くても二十時にはお店を出られます】


 そう返信し、スマートフォンをバッグに押し込めた。

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