激情を抑えない俺様御曹司に、最愛を注がれ身ごもりました


「丈さんには敵いませんね」

「そ。だから嘘はやめておくんだな」

 丈さんはグラスを手に磨きながらははっと笑う。

「で、どうした。まさか、またどっかで悪評書かれてるのか」

「はい……。見なければいいんですけど、この間とは違うところで見つけてしまって」

「そうか、またか」

「こういうのって、過剰反応しないほうがいいとか言うじゃないですか」

「まぁ、そうなのかもな。店やってると、多かれ少なかれそういうのはあるもんだしな」

「ですよね……」

「でも、内容が内容なら、立派な名誉毀損になるわけだから。営業妨害だろ?」


 順調なネイルサロン経営。と、言いたいところだけど、今ひとつ気がかりなことがある。

 それは、ネット上での心無い書き込みだ。

 サロンをオープン後、気になって見てみた口コミサイトに、身に覚えのない書き込みをされていたのだ。

 施術についての意見やお叱りなら、真摯に受け止めて今後に活かそうと思う。

 しかし、書かれていたのは到底そんな気持ちになれる内容ではなかった。

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