激情を抑えない俺様御曹司に、最愛を注がれ身ごもりました


 十八階を指定したエレベーターは、すぐに上昇し目的階で扉を開く。

 香椎さんが扉を開けてくれている間に「すみません」と先にエレベーターをあとにした。

 そこに広がったのは、外には開けていない内廊下。まるでホテルの中ではないかと疑う共有通路だった。

 淡いオレンジ色の埋め込み照明が落ち着いた雰囲気をつくり、足もとには紺色の絨毯が敷かれ、優しい歩き心地。足音が全く響かない。

 あとから降りた香椎さんのあとに続き、優しい歩き心地の通路を歩いていく。

 エレベーターホールから左手に出て最奥の扉の前で香椎さんは足を止めた。

 黒い玄関扉を前にして、鼓動がリズミカルに音を上げ始める。

 この先にはどんな部屋が待っているのだろうかと思うと、不本意な新生活とはいえ期待する気持ちが膨らんでいた。

 香椎さんがカードキーで玄関ドアを解錠し扉を開く。

 ドアを大きく開けてもらい、「お邪魔します」とそろりと広々とした玄関に足を踏み入れた。

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