赤い衝撃

短い梅雨が終わって7月に入ると

太陽がギラギラしていた。

自然と気分も明るくなり開放的になる。

何処か行きたい!と龍二に甘えると

海行くか!また、船で!

麻耶は即答した。

マサルも彼女と、って誘ったら

予定が入ってて行けないんだ

と残念そうに肩を落とした。

だから、二人で海水浴。

龍二の船で、適当な場所まで行き

錨を下ろして固定する。

釣竿も固定して垂らしておく。

「泳ぐぞ!」

彼は、麻耶の手を引いた。

「泳げない・・・浮き輪」

「何だよ!海行くって喜んでたよなぁ?」

「普通の海水浴場だと思ってたから。

 足がつかないと怖くて・・・」

「俺に掴まれ、行くぞ!」

龍二は、勢いよく飛び込んで

ほら、と言って手を差し伸べた。

麻耶は、飛び込む事が出来ないので

足からゆっくりと海面に降りた。

彼に抱きかかえられたけど

恥ずかしくてすぐに離れ

船のロープみたいな物に掴まった。

「やっぱいい、龍二だけ泳いで」

わざと足をバタバタさせて

彼を近づけないようにした。



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