【WEBTOON】断食魔女と肉食神官~拾った子供が聖女に選ばれた魔女のお話~【コミカライズ】
「神官様って、本当に素直な人ですよね」


 天邪鬼なわたしとは大違い。
 まぁ、ペラペラとよく口が動くから、何処までが本心か分からないけど。


「えぇ? ジャンヌ殿も十分、素直だと思いますよ?」

「ハッ! これの一体どこが?」

「見ていたら分かりますから」


 神官様はそう言って、わたしの頭をよしよしと撫でる。慈愛に満ちた笑顔。思わぬことに、わたしは飛び上がってしまった。


(一体何をしてるんだ、この男は……!)


 そんな意地っ張りな子供を見守るような生温かい目で見るのは止めてほしい! わたしはこれでも大人。いい大人なんだから!

 そりゃあ、言動や行動が伴っていないかもしれないけど、それでも。


「そう言えば、ジュエリーをお渡しするのが未だでしたね」


 神官様はそう言って、わたしの背後に回り込む。


「ジュエリー? 別にそんなの無くても……」

「ダメですよ。物事、バランスというものが重要です。
夜会の規模に応じたドレスを着る。それに見合ったジュエリーを身につける。
その場の空気に溶け込むためにも、必要なことだと思いませんか?」

「――――そりゃあ、そうですけど」


 ダメだ。神官様にはわたしの思考回路が完全に読まれている。そう言われて断れるはずがない。


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