愛憎を込めて毒を撃つ

プロローグ

◆第一話冒頭の約二か月後(六月下旬)
〇ホテル街の路地(夜)

つい最近行われた高校の同窓会で数年ぶりに再会した、里乃と潤。
後日、たまたま街にいたときに鉢合わせ、唐突に潤に引っ張られてホテル街に連れてこられる。

里乃「急になんなの?」
潤「里乃が本当に幸せそうなら、言わない方がいいと思ってた。でも……」
里乃「……潤?」
潤「あんな泣きそうな顔して『幸せ』なんて嘘つくくらいなら、ちゃんと現実を知るべきだ……」
里乃「え……?」

里乃は、潤の言葉の意味がわからずにたじろぎ、動揺を隠せないが、真剣な顔をしている潤の手を振り解けない。
直後、潤が里乃を抱きしめる。

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