俺様御曹司の契約妻になったら溺愛過剰で身ごもりました
 恥ずかしそうにつぶやくと、善は白い歯を見せて笑う。どこか懐かしそうに彼は目を細めた。

「以前と比べると変わったよな、日菜子」

 その台詞にかすかな違和感を覚える。まるで昔からの知り合いのような口ぶりだ。

「以前?」

 聞き返すと彼は苦笑して答える。

「入社初日の堅苦しいあいさつしてた頃と比べたらって意味だよ」

 うまくはぐらかされたのか、ただ勘ぐりすぎたのか……。彼は食べ終えた皿を片づけながら日菜子に聞く。

「片づけは俺がやる。食後のコーヒーいるか。紅茶もあるぞ」
「ありがとうございます。じゃあコーヒーで」

 日菜子はソファに移動してぼんやりとニュース番組を眺める。手際よく片づけを済ませた彼がたりぶんのコーヒーを運んでくる。彼が隣に腰をおろしたタイミングで日菜子のスマホが鳴った。
 はまっているゲームアプリからの通知だった。

「あっ」

 思わず声をあげてしまう。推しキャラ、ティガのイベント告知だったからだ。
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