オオカミ王子はわたし限定
そのりっくんが口を開いたかと思えば、一瞬で私の顔に綺麗な顔が近づいて。
少し動けば触れてしまうような距離感に、息も、心臓も、止まりそう。
……何?どういうこと?頭がうまく、回らない。
何が起こっているのか、さっぱり。頭、真っ白。
間近で見る、りっくんの顔。
綺麗で整っていて相変わらずカッコ良くて、その距離に爆発してしまいそうだけど、やっぱりいつもと、どこか違って。
「隙だらけだよ、」
なにかを言おうとしてもいうことを聞いてくれない唇に加えて、それはりっくんの人差し指によって阻止されている。
意味のわからない言葉たちと、近くに綺麗な顔があるせいで、なんにも考えられない。理解が追いつかない。