病める時も健やかなる時も、その溺愛はまやかし~死に戻りの花嫁と聖杯の騎士

26、やり直しの初夜

 ユードが唇でわたしの唇を塞ぎ、大きな手が背骨を辿るように撫でおろす。少し開いた隙間から舌が侵入して、わたしは息を呑んだ。

 初めてじゃないのに、心臓がバクンバクン音を立て、頭に血が上る。深い口づけを交わして、突然、ユードが離れてしまい、わたしは物足りない気分で目を開けた。

 ユードが室内履きを脱いでベッドに上がり、ナイトガウンを脱ぐ。鍛え上げた鋼のような裸体が現れて、魔力灯の淡い光で深い陰影が差す。ナイトガウンを脱ぎ捨てたユードが、長い脚を広げて座り、わたしをその間に座らせる。彼の裸体について、うっすらと記憶はあったけれど、わたしは恥ずかしく、見ないようにずっと両手で顔を覆っていた。

「セシリア……脱がせても?」
「え……ええ……」

 ユードがわたしの夜着のリボンを解く。ユードがわたしの両手を取って顔から引き離し、肩から滑らせた夜着の腕から抜いて、するりと脱がしてしまった。
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