私に光をくれた君
「おはよう…」


挨拶をしても帰ってこない…もうこんなの慣れっこだけど悲しい。私は今日から高校生になるというのに気分は晴れないでいた。私の家族はお母さん、お姉ちゃん、私の三人家族だ。でもお姉ちゃんは、家を出て別々に暮らしているから、家にはお母さんと私の二人だけ…。お母さんは、私のことを嫌っている。そんなのお母さんを見てればわかるからそっとしておくんだ…。お父さんは私が小さい時に事故で死んじゃった。私とお父さんが公園に向かっている途中でトラックが突っ込んで来て私を庇ってお父さんが死んだ。だから、お母さんはまだお父さんが死んだ悲しみから抜け出せないでいる。


「行ってきます」


当然、返事は帰ってこないけど毎日ちゃんと挨拶はしようと決めている。これが私の唯一の抵抗かな…。



私の名前、柊 美音。美しい音、そう書いてみおって読む。私は意外と自分の名前が好きだ。私は、中学の時、友達は一人も居なかった。自分から話しかけるのも苦手だし、人と関わるのが怖かったから…。でも、三年間我慢したら高校。高校は、中学は別だけど保育園から小学校まで一緒だった美花と、一緒の高校に行こうと約束してたから…。美花とは名前が似ているってとこから仲良くなったんだ。懐かしいな…。けど、全然会ってなかったから入学式で見つけられるか心配だ。美花も気づいてくれるかな…。
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