あなたの妻になりたい
「てっきり、俺の方が君に嫌われていると思っていた」
 そこでランバルトは苦笑する。だが、マイリスはこんな彼の表情を見るのも初めてのこと。
 いつもの彼は、仮面を被っているかのようにむっつりとしている。

「ランバルト様。とうとう頭がおかしくなられたのですか?」
 そう考えるのが妥当というもの。

「酷い言われようだな。だが、そう思われてしまっても仕方ないようなことを俺はしてきたんだな……」

 少し、話をしてもいいか? と彼は言う。

「このままで、ですか?」
 マイリスがこのままでと尋ねるのは、未だにランバルトの手がマイリスの胸元をすっぽりと覆っているからだ。

「ああ、このままがいい。そして、俺の話が終わったら、このまま子作りに励みたい。君を仮妻で終わらせたくない」

 突然の展開に、マイリスの頭はついていかなくなった。いつもより多めにまばたきをしてしまう。

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