あなたの妻になりたい
「え?」
 マイリスは思わず目を見開いてしまった。なぜ彼がその名を知っているのか。
「あの、子竜は? 子竜がいませんでしたか?」

「子竜? 子竜とはランちゃんのことだな?」

「え、どうしてランバルト様がその名前を?」

(そして、ランバルト様はどこを触っているのかしら?)

 マイリスがそう思ったのにも理由がある。彼の大きな手がすっぽりとマイリスの胸元を包み込んでいたから。

「マイリス。君は何か誤解をしているようだが、俺は、君のことを愛している」

「え」

 突然、愛を囁き出した仮夫(かりおっと)が信じられない。そして、未だに胸元に触れている彼の手が信じられない。

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