心の温度
佐藤建築工業

真野家

出向が決まり、私も真野主任も月末までの1週間は引っ越しなどがあるので有給消化となり、その1週間でうちも真野主任のところも井上社長からの特別な計らいで引っ越しはお任せパックになった。
佐藤建築工業への出勤3日前の朝から501と502号室の引っ越し作業が行われた。

私は離婚してまだ半年も経っていない。
人生の転換期なのだろうか。大きな波に乗ったように人生が考えてもいない方向へ向かっているようだ。

知恵さんは、すぐには辞めれず1ヶ月後の退職となった。退職後に病院の職員宿舎から私と啓太が住む3LDKへ越してくる。

隣県へは私と啓太が真野主任の車に乗せてもらい、お母さんと塚田さんはその後から自家用車で付いて来た。
真野主任の実家で真野主任の車とお母さん達の車を駐車させていただき真野家へご挨拶。

「ちえちゃ〜ん!お婆ちゃん!お爺ちゃん!」と七海ちゃんは玄関へ走り出して行った。
ガチャと玄関が開き、真野家のお父さん、お母さん、そして知恵さんが外まで出てきてくれた。
< 156 / 330 >

この作品をシェア

pagetop