心の温度

知恵さんが引っ越して来てから、彩音と啓太はほとんど毎日真野家で夕飯を食べているので、お母さんに食事代を払いたいと申し出たら、要らないとお母さんとお父さんに断られた。
困って知恵さんに相談すると、間に入ってくれて"食事代を払ったほうが彩音さんとしても遠慮しないで食べれると思うよ。』と言ってくれたので渋々1万円でとお父さんとお母さんは了承したが、1万円は少な過ぎると2万でと私が言うと、あいだをとって1万5千円となった。
彩音は安くて申し訳無かったが、ありがたくそうさせていただく事にした。

その事を朝の通勤の時に主任にすると、
「北川さんは本当に律儀だなぁ。食事代なんか要らないのにさ。」
「そんな訳にはいきませんよ。毎日美味しいご飯を食べさせて頂いててお母さんにはいろんなお料理も教えて頂いているんですよ?!」
「そうなの?もしかして母さんにコキ使われてるんじゃない?」
「まさか!お父さんもお母さんもいつも親切にして頂いてます。本当にありがたいです。」
「じゃあ安心。」と言って微笑んでる主任だった。
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