心の温度

「……私、自信ないんです…」

「え? 何に自信ないの?
だって誰にでも優しくて啓太くんを大事に頑張って育ててるし、会社でも頑張ってるよ?何に自信ないのか教えてくれる? 君は何を言われてトラウマを抱えてるんだ?」

「トラウマ… 」

「多分、元クソ旦那から酷いことを言われ続けたんじゃあないかと俺は思ってる」

「トラウマなのかぁ…でも事実だから…」

「どんな事を言われたのか俺が判断してやるよ!」

「……離婚する時に… お前は顔は良い。母親としても良い。でもいちいち言われなきゃわからない気遣いがなってないって……そして…… 中身が地味だから女将には相応しくないって……そして……」と私が下唇を噛み、膝の手をぎゅうと力が入ったのをみて

「何を、言われた?」と言って主任は、私の手を両手で握ってくれた。

「啓太を……出産してから薄っぺらいカラダになって、……
女の魅力が全然ないから……抱く気も…おきないって」と言ったらポロポロ涙が頬を流れた。

そんな私を抱きしめて、
「そんなクソ旦那の言うことは信じなくていい!
これからは俺や家族の言葉を信じろ! な?」

「いいか、良〜く聞いて。俺は君と啓太くんをこれからずぅーと守りたいんだ。

君は、心が綺麗で思いやりのある優しい女性だ!女として魅力がないなんてウソだ!
君はモデルのようだよ?!いつも他の男たちが見てるの知らないの?
だからさ〜俺はいつもヒヤヒヤしてるんだよ。だって本物の恋人じゃあないからね〜…
いつ君が他の男に掻っ攫われやしないかって…
いつも不安なんだ。
俺じゃあダメ?イヤ?」
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