心の温度
3着の試着を終え、撮った写真を見比べる。
うちのお母さんも真野のお母さんも私も
「このゴールドのドレスが似合ってる」と言うと
「え〜ゴールドだよ?しかもレースのノースリーブだし!」
「11月ですからこの上からこのような黒いビロードのボレロを羽織ってはいかがでしょうか?」

「アラ!もっといい〜」とお母さんが言うと、
後ろで見ていた男性陣。悟さんが「それが一番似合ってたぞ!」と言うとお父さんも塚田さんもウンウン頷いていた。

「本当?自分では絶対に選ばない色だけとみんなを信じて、これにするね。」

お母さんたちの留袖はすぐに決まって、いよいよ私のウエディングドレス……

純一との時は旅館の大広間だったから白無垢と打ち掛けだった。
ウエディングドレス選びに緊張する。
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