オー!マイ・ハワイ!
3.期間限定の婚約者
 その夜、まなみはワイキキの海にのぼった美しい満月をホテルのバルコニーから長いこと眺めていた。心地よい海風がほほをなでていく。

ハワイはやっぱりきれいだな。もちろん昼間もいいけど、こうして静かな夜の海も本当に美しい。まなみはこの景色をみただけでも、十分ハワイにきたかいがあったように思えた。

『このままで終わりたくない。そうでしょ?』

里穂の言葉がもう一度頭の中で聞こえて来る。私はこのままでは終わらない。部屋の中に入って、きょう買ったドレスをじっと見る。

 明日が楽しみだ。ニヤニヤと微笑みながらボフンっとベットに倒れ込んでそのまま寝てしまった。

朝食はルームサービスにした。
天気も穏やかなので、バルコニーに運んでもらいエッグベネディクトを頬張ると、もうこれ以上ない幸せでいっぱい。ホテルの一味も二味もランクが上の料理は朝からテンションをぶち上げてくれた。

きょうのパーティーは、まなみが泊まっているホテルが会場になっている。16時にサロンの予約をしたのでそれまでは自由時間。

それまで何をして過ごそうか。ぜったい行きたいところのひとつ、「ノースショア」に行って帰ってくるには、ちょっと時間が心配だ。ホテルのプライベートビーチでシュノーケリングでもしようか。

あれこれ迷っていても時間が過ぎるだけなので、ツアーカウンターに相談に行くと、パイナップル園とクカニロコ・バースストーンをめぐるツアーなら飛び込み参加できるとのこと。

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