笑顔が消える
友人・香菜恵1️⃣

彩代とは高校からの同級生。

彩代は、綺麗な子だけど
それを鼻にかけることもなく
優しくて一緒にいて癒やされる子だった。

そんな彩代は、頭も良かったが
料理が好きで、和洋中を習うために
専門学校へ進んだ。
彩代は、高校の時にお父さんを亡くし
お母さんが彩代とお兄さんを
女手一つで育ててくれていたから
早く自立したかったようだ。

私はパソコンのスキルが
欲しくて彩代と同じ専門学校へ
進んだ。

彩代は、カフェでバイトをやっていて
その時に三嶋さんと出逢い
短大を卒業したあとに結婚した。

空也君を妊娠するまでは
カフェで働いていた。

三嶋さんは、彩代を溺愛していて
二人は本当に仲良かった。

彩代とは、合わなくても
連絡は、取り合っていたから
彩代の結婚式も
私の結婚式も
お互いに出席した。

私の旦那様は、
彩代がバイトをしていた店の
息子さんで
青葉 太智 ( あおば たいち )さん。
太智さんから、お父さんのカフェで
修業していて独立が決まった時に
プロポーズされた。
私より四歳年上の太智さん
太智さんが開いたお店は

【 Cafe-taste 】
taste→味わう
料理を····雰囲気を····楽しさを····
色々を味わって欲しいと言う意味を込めて。

真っ白な外観、外回りには緑があり
広くないが狭くもなく
お客様同士も近くなく
くつろげる空間となっている。
テーブルや椅子にこだわりもある。

入り口から入ると立ち止まるスペースがあり
そこから円形状に三、四台あがると
グルリと
お客様スペースになっている。

足の不自由な方には
スロープもある。

なんか不思議は感覚の店内。

キッチンは、太智さんが使いやすいように
本当に考えられている。

私は、経理をやりながら
フロアーをやる。
バイトも二人いる。

太智さんが
デザートを作れる人がいてくれると
助かるけど。
と、お義父さんと話しを
していたから
パティシエではないけど
彩代の事を伝えると
合ってみたいと言うから
彩代に直ぐに連絡をした。

彩代は、喜んでいたが
修也さんにきいてからで
と、言った。
うふっ、本当に仲良しなんだから。

まあ、三嶋さんが
彩代の頼みを受け入れない
事なんかあるだろうか
と、思っていたら······
翌日には、彩代の嬉しそうな
声がきけた。

初めは、月、水、金のランチ時間。
デザートも少しずつ作りはじめ
太智も美味しいと褒めるほど。
やっぱり彩代は、凄い。

でも、三嶋さんの身の回り事は
きちんとやっていた。

三人の子供は大学や看護学校
自衛隊で家を出て独り暮らしを
初めていたから。
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