笑顔が消える
弁護士・赤木1️⃣

全員が次々に案内されて
少し広い会議室に集まり席に着く。

修は、改めて彩代さんと
彩代さんのお兄さんである和希さんに
頭を下げ詫びていた。

修也君は······と言うと

次男の星也君が、父、修也君の
顔を見るなり殴り飛ばした。
机や椅子が倒れるほどに。

田中 美弥さんが
「きゃーっ」と、叫び
修也君に駆け寄るが
「触るんじゃねぇ!!」
と、星也君が田中さんに
怒鳴り散らし

「あんた!まだ、この男に
気持ちがあるのか?!!!
こんな家庭を顧みないで
どれだけ母さんに
尽くして貰ったかも
わからない馬鹿な男。
こんなくずいるなら、連れて行け。
そして、二度と俺達の前に
現れるな!!」
と、修也君と田中さんを
睨みつけながら叫ぶ星也君を
彩代さんは、そっと抱きしめて
「星也。ありがとう。
お母さんの為に。
優しくて、とても冷静なあなたに
こんなことを言わせてしまって
本当にごめんなさい。」
と、言うと
空也君、真代ちゃんも
二人のそばに行き
空也君は、星也君の頭をポンポンとしていた。
真代ちゃんは、
「あなたが、お母さんを
苦しめて悲しみを味あわせた事は、
一生許さないし
許せることはない。 
だけど、あなたが、いたから 
安定した生活をすることが
できたのも確かです。
そのことには感謝しています。
ありがとうございました。
だけど、今から先、人を傷つけない
生き方をして欲しい。
そして、あなた。
人の家庭を壊した事を
一生忘れないで生きてほしい。」
と、泣きながら訴えた。

田中 美弥さんのお母さんの美津さんは、
「本当に、本当に、申し訳ありません。」
と、頭を下げる。

彩代さんは、
「お母様でいらっしゃいますか?」
と、訊ねると
「はい。」と、美津さん。
「すみません。
嫌な思いをさせてしまいまして。
子供達にもこんな事を言わせてしまい
どれだけ、この子を傷つけたのかと
親として情けない次第です。」
と、美津さんに頭下げて
三人の子供達に
ごめんね。と言いながら
椅子に向かう

彩代の兄・和希は、
倒れた椅子をお越し
机を並べていた。
「兄さん、ごめんね。
ありがとう。」
と、彩代さんが言うと
お兄さんの和希さんは、
首を横に振っていた。
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