恋をするのに理由はいらない
8
「はぁ? なんで俺が運転手なんだよ!」
眠すぎて思い切り顔を顰めて鍵を差し出す俺に、颯太は不満気だ。
「居眠り運転で死にたくなければお前が運転しろ」
それに「へいへい」と渋々鍵を受け取ると颯太は運転席に向かった。
「いち兄、大丈夫? 昨日は仕事……じゃなかったよね?」
後部座席に乗る俺に、助手席から振り返りながら実樹は言う。
「ハメ外しすぎたんじゃね?」
俺が答える前に、颯太は笑いながら口を挟む。
「うるせぇ。お前は黙って運転してろ」
「お~こわっ。じゃ、出発するぞ~」
颯太は軽い調子で前を向くとハンドルを握った。
今日は弟たちと久しぶりに実家に帰る。そのまま泊まり、こっちに戻るのは明日。休みの最終日だ。
朝まで澪の家にいた俺は、眠気と戦いながら家に帰った。なんせ、次に澪と会えるのは早くて来週末だ。だから、まぁ……無理はさせた、と思う。俺が家を出るときも、澪はベッドの上で気怠そうに『いって……らっしゃい……』と言っていたくらいだから。
俺だって、一晩に何回やったかわからねぇなんて、初めてだっつうの……
目を瞑り、腕を組んで扉に凭れ掛かる。実家に着くころには眠気も収まっているだろう、と思っていたら、颯太が俺に話しかけてきた。
「なあ、兄貴~。彼女できただろ?」
それにいち早く反応したのは実樹だ。
「そうなの? いち兄!」
このまま大人しく寝させて貰えるわけねぇか、と俺は深く息を吐いた。
眠すぎて思い切り顔を顰めて鍵を差し出す俺に、颯太は不満気だ。
「居眠り運転で死にたくなければお前が運転しろ」
それに「へいへい」と渋々鍵を受け取ると颯太は運転席に向かった。
「いち兄、大丈夫? 昨日は仕事……じゃなかったよね?」
後部座席に乗る俺に、助手席から振り返りながら実樹は言う。
「ハメ外しすぎたんじゃね?」
俺が答える前に、颯太は笑いながら口を挟む。
「うるせぇ。お前は黙って運転してろ」
「お~こわっ。じゃ、出発するぞ~」
颯太は軽い調子で前を向くとハンドルを握った。
今日は弟たちと久しぶりに実家に帰る。そのまま泊まり、こっちに戻るのは明日。休みの最終日だ。
朝まで澪の家にいた俺は、眠気と戦いながら家に帰った。なんせ、次に澪と会えるのは早くて来週末だ。だから、まぁ……無理はさせた、と思う。俺が家を出るときも、澪はベッドの上で気怠そうに『いって……らっしゃい……』と言っていたくらいだから。
俺だって、一晩に何回やったかわからねぇなんて、初めてだっつうの……
目を瞑り、腕を組んで扉に凭れ掛かる。実家に着くころには眠気も収まっているだろう、と思っていたら、颯太が俺に話しかけてきた。
「なあ、兄貴~。彼女できただろ?」
それにいち早く反応したのは実樹だ。
「そうなの? いち兄!」
このまま大人しく寝させて貰えるわけねぇか、と俺は深く息を吐いた。