破れた恋に、火をつけて。〜元彼とライバルな氷の騎士が「誰よりも、貴女のことを愛している」と傷心の私に付け込んでくる〜
 その後すぐに私にとってはどうしようもなく、衝撃的なことが待っていたからだ。

「……申し訳ありません。貴女は誰ですか」

 ベッドで体を起こした彼は、無事なことに喜んで涙を流す私に対し、まるで初対面の誰かのように接した。

 思わず背筋が寒くなってしまうほどの、冷たい水色の視線を向けて。

「……嘘。なんで」

 そう。あの妙なものが身体に入り込み倒れて目を覚ましたランスロットは、何故か私の事だけを綺麗に忘れてしまった状態になっていたから。

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