【コミカライズ決定】王太子妃候補クララの恋愛事情~政略結婚なんてお断りします~

35.フリードと王太子、それからジェシカ王女

(なんだか、とてつもなく疲れた……)


 クララはため息を吐きながら、肩を落とした。
 騎士に連行され、既にスチュアート伯爵の姿はない。レイチェルも、自主的に父親の後に付き従った。


(レイチェル……どうなっちゃうんだろう?)


 親の罪は子の罪になりうる。貴族社会なら致し方ない部分もあるが、クララにはどうにもやり切れない。


(どうか、レイチェルの罪が少しでも軽くなりますように)


 クララはレイチェルの去っていった方角を見つめながら、一人そんなことを願った。


「あれ?もう全部終わっちゃったの?」


 その時、背後からフリードの声がした。先程までの重々しい空気を知らぬが故の、少し間の抜けた声。苦笑交じりに振り向きながら、クララは目を見開いた。


「騒ぎになってるって言うから、急いできたのになぁ」

(えっ!?えぇっ!?)


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