【電子書籍化】婚約破棄された伯爵令嬢ですが隣国で魔導具鑑定士としてみんなから愛されています~ただし一人だけ溺愛してくる~
「つまり、この蓄魔力器が偽物だった、と?」

「はい。この表面見てください、ロゴが少し違いますよね? それに、大きさは八百と書いてあるんですけど、実際に測定すると百マジーしかないんです」

 カリーネが言ったことを確認するかのように、ラーシュは蓄魔力器の表示を確認し、測定器で魔力の大きさを測った。

「これは、間違いなく偽物だな」

「ですよね」

 自分の考えが合っていた、ということについカリーネは声を張り上げてしまった。

「だが、よく気が付いたな」

「今回、修理依頼のあった魔導具が同じような製造番号だったのと。全部が全部、起動しないという現象だったので。原因は一つだろうなと思いました。それに、回路図を書いたことで、考えを整理することができたんだと思います」

「この子。この魔導回路の実物から回路図に落とし込んだのよ。信じられなくない? 普通、そこまではやらないわよ」
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