Martini
学校生活
-3か月後-


 授業中牧野は生徒たちの視線が自分に釘付けであることに気づいていた。耳をすませると、
「イケメンすぎん?」「目の保養だわ〜。」
 いくらそのような言葉に慣れている牧野であっても、大勢から言われると、にやけが止まらない。
 授業後、廊下で「先生―!」
何人かの生徒から声を掛けられた。「どうした?」牧野はボーカーフェイスを保ちながら彼女らに応じた。
「先生って女性と触れ合ったことありますか?」
あまりに突然すぎて牧野は少々動揺する。つまりそれって童貞かどうかってこと?
「えっ?」この場合どう答えるのが正解なのだろうか?
一方生徒たちはというと、
「先生が動揺してる〜!かわいい!」とかヒソヒソ。
 牧野が動揺していると、
「こーらっ。先生を困らせるんじゃない」
そう生徒たちに言ったのは、牧野より4歳年上の八尾航一先生。
「うちらの学校の二代イケメンが並んでる〜!」
とか言って生徒たちは次の授業の準備のため、自分達の教室へと戻っていった。
「八尾先生ほんといつもありがとうございます。」
「牧野先生もいつも大変だね。あっ、そうだ。今日飲み行こうよ。」
「はい!」
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