夢の中だけでもいいから私に愛を囁いて

予想してなかった展開


久しぶりに家を出たところで陽くんに会った。

「おはよう、陽くん。今日は本社で仕事なの?」

「おはよう、乃愛。そうだよ。今開発途中のものがあるんだけど、副社長がどんな状況かを説明して欲しいって言われてさ。係長と本社で説明するんだと」

「へぇ…開発中のものまで把握してるなんて、副社長って相変わらず仕事の鬼なのね。いつも思っていたけどうちの会社のことで知らないことはないってくらい凄いんだよね」

「そういう立場の人だし、凄くできる人だしな。しっかり説明できないとまた質問攻めになるな…」

少しうんざりという顔を見せる陽くん。

「厳しい人だけど、優しさもあるからきちんと説明して対応できれば、きっと自分を成長させてくれる何かを暗示してくれるよ。私はいつも近くで勉強させてもらって良かったって思ってるの」

「そうだな。まだまだ俺なんか成長途中だもんな。言われれてみれば、副社長との面談の後は大抵やる気が満ちてたわ」

握りこぶしを見せてやる気を見せる陽くんに話題を変えてみた。

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