寡黙なトキくんの甘い溺愛
聞けば、昨日ランニングしている時に会ったという。そこで倉掛さんから施しを受けたらしく……。まさか俺が帰った後にそんな事になっているなんて、思いがけない事態に俺は肩を落とす。
「もうちょっと買い物を楽しめばよかったな……」
「え、なんて?」
「……別に」
俺のことはお構いなしで、「でもさ」と大橋は続ける。
「それだけじゃないんだ。実は朝さ、可愛くなった砂那ちゃんにちょっかいかけて”砂那ちゃんが一番好きだよ”って言ってみたわけ」
「……へぇ?」
「そうしたらさ、何て言ったと思う?」
「チャラい」
「ブー!」
手でバッテンマークを作った大橋。「さらっとヒドイ事言うよね」なんて愚痴もこぼす。
「こんなトキくんに比べて、砂那ちゃんの天使さだよ。
あのね、砂那ちゃんはね――」