寡黙なトキくんの甘い溺愛
「確かにトキくんは何でもできるけど、でも、アオくんとはダメ!もしトキくんが怪我したら、」
「(ピク)」
おそらく砂那は俺の事を心配してくれたんだろうけど……その心配は「俺が負ける」から生まれるものであって。
どうやら砂那は、俺がアオに勝てないと思っているらしい。
そして大けがをするんじゃないかと、心配してくれている。
だけどこの勝負――勝ったら、砂那を、もうあのアオとやらの好きにはさせない。
砂那を好き勝手に触るのは、金輪際やめてもらう。
「――いいよ。やるよ」
「トキくん!?」
ダメだよ!と言いたげな瞳は、確かに俺が映っている。
だけど、肝心な砂那はアオに捕まったままだ。俺の腕の中以外にいる彼女を見ると、ひどく気分が悪い。
「(アオ――)」
俺が勝った暁には、絶対に砂那から離れてもらうからな。