寡黙なトキくんの甘い溺愛
大橋がニカッと笑ったのを見て、相条さんの顔が少しだけ色づく。だけど、相条さんははぐらかすように「大橋って本当にチャラい」と、腕をペシッと叩いた。
「そういうチャラいところがなかったら、大橋もそこそこイケるのにね」
「そこそこってなに。かなりイケるでしょ、俺は」
お互いがお互いの傷を確かめるように、はたまた抉るように、なめ合うように――二人はパシパシと叩き合いを続けた。そして、教室とは反対方向に歩き、この場にいない二人へ思いを馳せる。
「あの二人、大丈夫かなぁ。なんかさ俺、心配なんだよね。あの二人って、何も知らない純粋無垢じゃん。生まれたての世間知らずって感じがして、すごく心配になるよ」
全く持って同意見なのか、相条さんが「それな」と手をポンと叩く。