捨てられた男爵令嬢は騎士を目指す〜小姓になったら王子殿下がやたらと甘いのですが?
「それはすみません。でもだったら、ぼくをそのままあちらのベッドに運んでくださっても」
「いや、それは……(い、一緒のベッドでもオレは構わないし……)」
「なに、ボソボソおっしゃってます?聞こえませんよ」
「な、なんでもない。ただの独り言だ!」
「……なに、ムキになってますか」
ひとまず着替えなきゃ。昨夜肖像画を描くために、ワンピースを着てたんだ。シワになっていそうで怖いなぁ…。
着替える時には、仕切りのカーテンで部屋を区切る。ワンピースからいつものお仕着せに着替えてる最中、服を着てるアスター王子から質問がとんだ。
「ミリィ、昨夜は遅かったな。なにか用事があったのか?」
(メダリオンのことは言えないよね。あああ~面倒くさい…)
「ちょっとした私用です」
「ワンピースで行くような私用なのか…?」
あ、なんだろう。すごーく面倒くさい予感がする。
「別に、アスター殿下には関係ありませんよ」
(というか、あなたがメダリオンなんて贈ってきたから、あんな拷問みたいな時間を過ごさなきゃならないんですが)
わたしが恨みを込めて言うと、なぜかアスター王子は黙ってしまう。
大人しくなったなら、よかった、よかった。と着替え終わってカーテンを引くと。なぜか、笑顔のアスター王子がそこに立ってた。
「そうか、なら。関係あるようにするか」
「え?」
ちょっと笑顔が怖いですよ、と言いそびれた。