婚約破棄から始まる悪役令嬢の焦れったい恋愛事情
言い聞かせるように言うとマルクルスは唇を噛みながら瞳に涙を浮かべている。


「くっ……もういい!!こんなに恥知らずな女だったなんて」

「ハァ!?」


怒りが爆発寸前である。


「もう僕の前に二度と顔を見せっ……「お前がなッ!!!!」

「…………!?」


大声で被せるように叫ぶとマルクルスは大きく目を見開いた。
ポカンと口を開いて全く此方の言葉を理解しようとしないマルクルスの顔面をグーパンチで殴りたくなった。
とはいえ相手は伯爵家……下手な対応を取れば、いくら此方が悪くなくても問題になってしまう。

このままでいくと、このナルシスト男が怒り出して騒ぎになりそうだ。
それに思い込みが激しい性格を見るに、簡単には婚約を解消してくれそうにない。

今まではジュリエットがマルクルスにベタ惚れだった……ように見えていた。
今、現状で証拠はマルクルスの証言だけだ。
どうすればスムーズに婚約を解消出来るか考えていた。

(まずは両親に訳を説明して、それからマルクルスに本当はルビーお姉様が目的の婚約したって事を人前で言わせないと……!)

このままマルクルスと二人で居ても話が通じなそうなので誰かを交えて話したほうがいいだろう。


「こんなに馬鹿な女だったなんて思わなかったよ……黙って僕に従っておけば幸せになれたのに」

「ーーー!?」
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