キミの次に愛してる【BL】

二十六


 視線を逸らした僕に、裕文さんがベッドに肘を乗せて頬杖を付く。

 そうして、にっこりと笑った。

「ごめんね。――たぶんそれ、夢じゃないよ」

 目を見開いて固まった僕に、クスクスと笑う。



「じゃあ。お粥作ってくるから待ってて」

 立ち上がった裕文さんの口から、こほっ、と小さく咳が出た。

 目を剥いて見上げた僕に、口を押さえる。

「大丈夫大丈夫。俺って頑丈だから」

 それに風邪ひいたら看病してもらえるし、と笑って、部屋から出て行った。

 1度閉まったドアが開いて、裕文さんが顔を覗かせる。

「風邪ひかなかったら、ご褒美に呼んでくれるかなぁ。『裕文さん』って」

 悪戯っぽく笑って、出て行った。



「あぁ、僕……」

 どうしようー……と頭を抱える。



 姉さんごめんなさい――。



 心の中で謝る僕に、「ばかね」と笑う声が聞こえた気がした。






 都合が、いいだろうか。

 姉さんが、許してくれてると思うのは――。





 けれど。如月先輩の声と重なって、耳には優しい声が、聞こえていたんだ。




 ――ねぇ、姉さん。我儘で、勝手な、甘えた弟だけど。



 信じても、いいかな?

 これは、姉さんの声だって……。








                ――浩次。幸せになれ……。







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