キミの次に愛してる【BL】

二十五



 ――ひやり。



 額の冷たい感触に、目が覚める。

 開いた視界の中へ、ひょっこりと義兄の顔が入ってきた。

「あ、起きた?」

「おはよう……ございます」

 状況を把握するのに、数分かかった。

「すみません、僕、寝込んでしまってたみたいで……」

 明るくなっている窓の外に目を向けて、「昨日は晩御飯食べれましたか?」と義兄に訊く。

「うん。大丈夫大丈夫」

 にっこり笑う裕文さんが、とっても怪しい。

 枕元に置いたスマホで、時間を確認した。



 ――まだ、5時半。



 今から用意したら、裕文さんに普段よりは栄養のある朝食が作れるだろう。

「ダメダメ。今日はゆっくり寝とかないと。俺だってお粥くらいなら作れるんだから」

 起き上がろうとした僕の両肩を掴んで、裕文さんがベッドに寝かしつけてくる。



 まるで子供みたいだ、と思った。

 そうして、裕文さんの手の感触に、眉を寄せる。



「どうしたの?」



 訊いてきた裕文さんの顔が、まともに見れない。

「いえ。あの……変な夢、見たみたいで……」

「……へぇ。どんな夢?」



 ――……言える訳がない。


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